エリマキトカゲブームはなぜ起きた?日本での流行と社会への影響を探る

目次

エリマキトカゲブームの背景と日本での流行

エリマキトカゲ ブーム

1980年代、日本でエリマキトカゲが大きな話題となりました。そのきっかけや当時の流行の背景について紹介します。

エリマキトカゲとはどのような生物か

エリマキトカゲは、体のまわりに大きなえりのような膜を持つトカゲです。この膜は通常はたたまれていますが、危険を感じると大きく広げる特徴があります。エリマキトカゲは主にオーストラリアやパプアニューギニアに生息しています。体長は最大で約1メートルほどになり、昆虫や小動物などさまざまなものを食べて生活しています。

えりを広げたときの見た目がとても印象的で、このユニークな姿が日本でも大きな注目を集めました。また、二本足で立って走る姿も人々の関心を引き、その愛らしさや珍しさが話題となりました。日本ではエリマキトカゲという名前で呼ばれていますが、英語では「Frilled Lizard」と呼ばれています。

1980年代に日本で起きたエリマキトカゲブーム

エリマキトカゲブームは1980年代前半に日本中で急速に広がりました。当時はさまざまなメディアがこのトカゲを取り上げ、子どもから大人まで多くの人が関心を持ちました。この人気の背景には、テレビや雑誌、CMなどで目にする機会が増えたことがあります。

また、動物園でもエリマキトカゲの展示が増え、実物を見られる場所が広がりました。ブームの時期には、ぬいぐるみやキャラクターグッズなども多数販売され、エリマキトカゲが一種の流行現象となりました。時代の空気とともに、身近な存在として定着したのです。

テレビ番組が与えた影響と人気の広がり

テレビ番組がエリマキトカゲブームの火付け役となりました。とくに1984年に放送された車のCMや動物番組が印象に残っています。エリマキトカゲが一生懸命走る姿や、驚いたときにえりを広げる様子が多くの視聴者の心をつかみました。

テレビの影響で一気に知名度が高まり、その後は子ども向けの番組やバラエティ番組にもたびたび登場しました。エリマキトカゲを題材とした歌や映像作品も登場し、関連商品が続々と発売されるなど、人気の波は一気に全国に広がりました。

エリマキトカゲの特徴と生態

エリマキトカゲ ブーム

エリマキトカゲは、見た目だけでなく生態や行動にも独特の特徴があります。ここではその進化や暮らし方について詳しく解説します。

フリル状のえり巻きの役割とその進化

エリマキトカゲの最大の特徴は、首のまわりにあるフリル状のえり巻きです。このえりは普段はたたまれていますが、敵に出会ったり危険を感じたりすると、一気に大きく広げます。えりを広げることで自分の体を大きく見せ、相手を驚かせて逃げる隙を作るのです。

この進化は、厳しい自然環境の中で生き抜くための知恵ともいえます。また、えりを広げる仕組みは、あごや首の筋肉を使って一瞬で展開できるようになっています。見た目のインパクトだけでなく、防御や威嚇のために発達したものなのです。

生息地と自然界での暮らし

エリマキトカゲは主にオーストラリア北部やパプアニューギニアの森林や草原に生息しています。木の上や地上を行き来しながら生活し、昼間に活動することが多いです。樹上で過ごすことが多いため、枝をつかむのが得意です。

食べ物は昆虫を中心に、小さなトカゲや果物も食べることがあります。狩りをするときは素早く動き、獲物に近づいて捕まえます。乾燥した環境でも生きられる適応力があり、雨季と乾季の変化にも対応して暮らしています。

天敵や捕食者から身を守る方法

エリマキトカゲには、捕食者から身を守るための工夫がいくつもあります。先ほどのえりを広げる行動は、天敵を驚かせるための主要な方法です。急に大きな姿に見せることで、敵をひるませて逃走のチャンスをつかみます。

また、敵から逃げるときは後ろ足2本だけで立ち上がって走ることもあります。この独特の走り方は、スピードが速く、樹木や茂みの中にすばやく隠れるのに役立っています。さらに、地面と同じ色の体で周囲に溶け込むことも防御の一つです。

エリマキトカゲブームが社会にもたらした影響

エリマキトカゲ ブーム

エリマキトカゲの流行は、動物界だけでなく日本の社会や日常生活にも多くの影響を与えました。ここではその具体的な影響を見ていきます。

便乗商品とキャラクターグッズの登場

ブームの盛り上がりとともに、多くの企業がエリマキトカゲをモチーフにした商品を販売しました。たとえば、ぬいぐるみや文房具、シール、キーホルダーなどのキャラクターグッズが人気を集めました。雑誌のふろくやお菓子のおまけにもエリマキトカゲが使われることが多かったです。

また、洋服や帽子、バッグなど身近なアイテムにもエリマキトカゲのイラストが登場しました。このような便乗商品の増加は、ブームが社会全体に広がっていたことを示しています。子どもだけでなく、大人も楽しめるような商品が多かったのも特徴です。

レコードビデオ展示イベントとメディア展開

1980年代のエリマキトカゲブームでは、音楽や映像による作品も数多く誕生しました。有名なものとして、エリマキトカゲをテーマにした歌やレコードが発売され、テレビの主題歌やCMソングとして広まりました。

また、動物園や百貨店ではエリマキトカゲの展示イベントが開催され、実際に見る機会が増えました。これにより、子どもたちはもちろん家族連れも実物を見て体験できるようになりました。さらに、テレビや雑誌などさまざまなメディアで特集が組まれ、エリマキトカゲの魅力がより広く伝えられました。

子どもや家族の日常生活への浸透

エリマキトカゲブームは、子どもや家族の日常生活にも大きく影響しました。子どもたちはキャラクターグッズを持ち歩いたり、友達とエリマキトカゲごっこをしたりするなど、遊びにも取り入れていました。

家族で動物園に出かけて実際に観察したり、テレビや絵本で知識を深めたりする機会も増えました。学校や幼稚園でもエリマキトカゲをテーマにした工作や学習が行われるなど、生活のさまざまな場面で話題となっていました。

現在のエリマキトカゲと動物園での展示

エリマキトカゲ ブーム

エリマキトカゲブームから何十年も経った今、実際にどこで会えるのかや、世界の飼育状況についてご紹介します。

日本国内で見られる動物園や施設

エリマキトカゲは現在も日本国内のいくつかの動物園や施設で展示されています。たとえば、東京都の上野動物園や、関西地方の神戸どうぶつ王国などで見ることができます。

展示されている場合は、エリマキトカゲの生態や特徴をわかりやすく解説していることが多いです。実際にえりを広げる様子が見られることもあり、今でも子どもから大人まで多くの人に親しまれています。施設によって展示状況が異なるため、見学前には公式サイトなどで情報を確認するとよいでしょう。

世界的な飼育状況と保全活動

世界各地の動物園でもエリマキトカゲは人気の展示動物のひとつです。オーストラリアやヨーロッパ、アメリカの動物園で見ることができ、特にオーストラリア国内では自然環境の再現に力を入れている施設が多いです。

野生のエリマキトカゲは環境の変化や乱獲の影響を受けていますが、現在は保全活動も行われています。主な取り組みとして、生息地の保護や調査、飼育下での繁殖などがあります。これらの活動は、エリマキトカゲの未来を守るために重要な役割を果たしています。

エリマキトカゲブームのその後と再注目の動き

1980年代のブームが落ち着いた後も、エリマキトカゲへの関心は完全には消えていません。近年では、SNSやインターネットを通じてエリマキトカゲの魅力が再び話題になることも増えています。

動物好きの間で動画や写真がシェアされるほか、再びキャラクターグッズが登場するなど、新しい形で注目を集めています。また、動物園での特別展示やイベントが開催されることもあり、当時を知る世代と新しい世代が一緒に楽しんでいる様子も見られます。

まとめ:エリマキトカゲブームが残したものと今後への期待

エリマキトカゲブームは、単なる一時的な流行にとどまらず、日本の動物文化や生活に多くの影響を与えました。多くの人が動物への関心を高めるきっかけとなり、今もエリマキトカゲは親しまれています。

今後も動物園やメディアを通じて、エリマキトカゲの魅力や生態について知る機会が増えることが期待されます。次の世代にもこのユニークな生き物の魅力が伝わるよう、保全活動や教育活動の取り組みが続くことが大切です。

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この記事を書いた人

子どものころから恐竜が大好きで、図鑑をぼろぼろになるまで読みこんでいたキョルルです。
今でも恐竜の魅力に心をつかまれ、あの時代の息吹を感じられるような情報や世界観を、言葉とビジュアルで伝えたいと思いこのサイトをつくりました。

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