古代植物の巨大化が地球に起こした壮大な変化とは|恐竜時代の生態系を動かしたその秘密

目次

1. 古代植物の世界へようこそ!巨大だった理由とは?

「古代植物」とはどんな植物のこと?

古代植物とは、今から何億年も前の地球に生えていた、昔の植物たちのことを指します。中でも有名なのは、石炭紀(約3億年前)から白亜紀(約6600万年前)にかけて繁栄した巨大植物たちです。

これらの植物は、今の木や草の祖先にあたりながらも、その姿や大きさは私たちの想像を超えるものばかり。恐竜たちが歩き回っていた時代の大地には、巨大な木シダやトクサのような植物が生い茂り、まるでジャングルのような風景が広がっていたのです。

巨大に育ったのはなぜ?その理由を解説

古代の植物が大きくなれた理由はいくつかあります。

  • 大気中の酸素と二酸化炭素の量が多かった
    → 光合成が活発に行われ、成長スピードが早かった
  • 陸地の湿度が高く、広い湿地が広がっていた
    → 植物の生育に適した環境が整っていた
  • 昆虫や動物による食害が今より少なかった
    → 外敵にあまり食べられず、のびのび育てた

特に石炭紀は「酸素の時代」とも言われるほど空気中の酸素濃度が高く、昆虫も巨大化していたことがわかっています。つまり、植物も動物も、とにかく“でかくなる”条件がそろっていたというわけですね。

現代の植物とどう違うのかを比べてみよう

比較項目古代植物現代植物
大きさ20〜30mに達するものもあった多くは10m以下
主な種類シダ類、小葉植物、トクサ類被子植物(花を咲かせる植物)
繁殖方法胞子でふえる花や実で種子をつくる
成長環境湿地や沼地に多く生育乾燥地やさまざまな環境

2. 巨大な古代植物の代表選手たち

レピドデンドロン:30m超の巨大小葉植物

「レピドデンドロン」は、石炭紀を代表する巨大植物。なんと30メートル以上の高さにまで育ち、見た目はヤシの木のようで、表面にはウロコ状の模様がありました。

幹の構造は木のようですが、木材はほとんどなく、中は柔らかくて湿っぽかったと考えられています。

カラミテス:大きなトクサのようなシダ植物

「カラミテス」は、今でいうトクサに似た外見の植物で、高さは10〜20メートルにも達しました。節のある幹と輪のように広がる葉が特徴で、川や湿地帯に群れをなして生えていたとされます。

この植物も胞子で増え、群生していたため、太古の森の風景には欠かせない存在でした。

シギラリア:湿地にそびえ立った緑の塔

「シギラリア」は、レピドデンドロンに似た仲間で、湿地に生育し、まっすぐにそびえ立つ姿が特徴です。
幹にははっきりとした葉のつけ根跡が残っており、化石でもよく観察されます。

成長は早かったものの、寿命は短く、数十年で倒れて次の世代へと交代していくライフサイクルでした。


3. 恐竜や動物たちと共に生きた巨大植物たち

恐竜のエサにもなっていた巨大植物

白亜紀になると、恐竜が登場し、巨大な植物を食べて暮らす草食恐竜たちが現れました。
レピドデンドロンのような木はすでに減っていましたが、巨大なシダや針葉樹、トクサなどが恐竜たちの主なエサになっていたと考えられています。

長い首を持つ恐竜たちは、高いところの葉を食べ、低いところには別の恐竜がいて、うまく棲み分けがされていたのかもしれません。

太古の森に広がっていた巨大シダの群れ

当時の森は、今の森林とはまったく違いました。

  • 花は咲かず
  • 果実もなく
  • 胞子でふえる植物たちが中心

そんな森を作っていたのが、巨大なシダやトクサの群れ。
高さ数メートルにもなる葉が頭上をおおい、うっそうとしたジャングルのような風景が広がっていたでしょう。

巨大植物が支えた生態系のヒミツ

巨大植物は、ただ大きいだけではなく、生態系の土台となっていました。

  • エサを提供する
  • すみかを提供する
  • 空気をつくる(酸素の生成)

こうした役割を果たしていたからこそ、昆虫や小動物、恐竜までもが生きていけたのです。


4. 巨大古代植物の痕跡を今に伝えるもの

世界中で見つかる化石とその見どころ

レピドデンドロンやカラミテスの化石は、世界各地の石炭紀の地層から発見されています。
特に特徴的なのが、幹や葉の「模様」です。葉のつけ根がくっきりと化石に残り、まるで植物の“指紋”のように見分けられるのです。

展示されている化石の中には、幹の断面や葉の型押しがきれいに残っているものもあり、まるでタイムスリップしたかのような気分になります。

石炭紀の植物たちが今のエネルギー源に?

石炭紀に繁栄したこれらの植物が倒れて積み重なり、何千万年もの時を経てできたものが「石炭」です。
つまり、私たちが使っている石炭の正体は、古代植物のなれの果てなんですね。

燃料として使われるだけでなく、過去の地球の様子を知る手がかりにもなっています。

博物館や図鑑で出会える古代の森

日本各地の博物館や、恐竜展・化石展などでも、巨大植物の模型や化石を見ることができます。
また、図鑑や児童書でも、カラーイラストで再現された「太古の森」を見ることができ、子どもたちにも人気です。

【見られる場所の例】

  • 国立科学博物館(東京)
  • 福井県立恐竜博物館
  • 宮城県の地質展示館 など

まとめ:古代植物 巨大だったその姿は、いまも私たちに語りかけている

古代の植物たちは、今とはまったく違う姿で地球をおおっていました。
その大きさ、繁栄、そして役割は、動物たちとともに太古の自然をつくりあげていたのです。

そしてその一部は、化石として今も残り、私たちに過去の地球を語りかけています。
石炭というかたちで現代のエネルギーを支えるなど、遠い昔の植物が今の暮らしにまでつながっていると考えると、とてもロマンがありますよね。

古代植物は、恐竜と同じくらい不思議でおもしろい存在。
これからもその魅力を知ることで、自然や地球の歴史にもっと興味がわいてくるはずです。

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この記事を書いた人

子どものころから恐竜が大好きで、図鑑をぼろぼろになるまで読みこんでいたキョルルです。
今でも恐竜の魅力に心をつかまれ、あの時代の息吹を感じられるような情報や世界観を、言葉とビジュアルで伝えたいと思いこのサイトをつくりました。
恐竜のロマンと好奇心を胸に、恐竜の世界を一緒に旅しましょう!

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